線路への逃走は痴漢被害者を苦しめる最悪な選択

痴漢の容疑者が線路へ逃走するケース

近頃、毎日といっていいほど頻繁に報道されているのが「痴漢の容疑者が線路へ逃走した」という事件です。

逃走した人たちの多くは現在も捕まっておらず、逃げ得になっているという批判がなされています。

一方で、痴漢申告された男性が線路へ逃走したのち電車にはねられ亡くなるという事件も起こりました。

悪いのは痴漢

言うまでもありませんが、悪いのはすべて痴漢をはたらいた人です。

被害者の敵は痴漢であり、濡れ衣を着せられた人の敵も痴漢であり、電車遅延の損害をこうむった人の敵も痴漢であり、すべての善良な人間にとって痴漢は敵なんです。

間違っても被害者を責めてはいけません。痴漢被害者の話を伺うと、怖くて声も出せなかったというエピソードがよく語られます。そんな中、勇気を振り絞って被害を訴え、周囲の協力が得られ、ようやく犯人を捕まえることができたとしても、今度は世間から二次被害を受けることも少なくありません。

SNSには痴漢被害者の属性や特徴を独断的に解釈して被害者を貶める行為が横行しています。「露出度の高い服だったからいけない」「無防備だから被害にあう」「おばさんに痴漢しようとは思わない(だからきっと冤罪だ)」「自意識過剰なブス」などというコメントが多いことに驚きます。

被害者に全く落ち度がないとは言いません。誰だって油断したり間違ってしまうことはあります。

しかし、それを理由に被害者を攻撃するなら、我々は常に完全無欠でなければ出歩いてはいけないのでしょうか。

被害者に落ち度があったとしても加害者を擁護する材料にはなりません。

「痴漢」ということばの問題

またしても当然のことを言いますが、痴漢は性犯罪です。「いたずら」とか「迷惑行為」、「痴漢」いう単語は性犯罪の重大性を覆い隠してしまう一面もあるように思います。

公共交通機関のポスターやアナウンスで「痴漢は犯罪です」という文言が採用されるまでには大変な苦労があったということからもわかるように、痴漢が犯罪行為であるという認識が社会に浸透していなかったのです。犯罪であるとは知っていても、大したことのない/取るに足らない“軽い”犯罪であると思っている人は現在も多いのではないでしょうか。

痴漢(=性犯罪)は被害者の意思を無視し尊厳を踏みにじる蛮行です。

線路へ逃走後、電車にはねられ死亡

先日の事件の真相は私にはわかりません。ですから、ここでは仮定の話をします。

仮に、電車の中で痴漢の被害を受けて被害を訴えたとします。この時点で被害者には相当な負担がかかっています。恐怖・嫌悪感・焦り・怒り・悲しみ・罪悪感……。自分になんら非のないことに心身のエネルギーをもっていかれるわけです。

乗り合わせた乗客が犯人を捕まえ、次の駅で自分も降ります。乗客が普通の善良な人たちでよかったと安堵しながらも、まだ不快感は収まりません。もう予定時刻に目的地へ行くことはできません。

犯人、犯人取り押さえてくれた乗客、自分がホームへと降ります。駅員も駆けつけ、そこで事情を説明しようとすると、犯人が叫びながら暴れます。自分の犯した罪に向き合うことなく、私を人間扱いすることなく、ただ自分が助かりたい一心です。それでも取り押さえられ、犯人は堪忍したようにおとなしくなります。

被害者は他の利用者の奇異の目にさらされながら、それでもあきらめず、声を振り絞ろうとします。

――そのとき、犯人が突然走り出し、その勢いを周囲も止められず、線路へと逃がしてしまいます。そして、電車にはねられてしまいます……

 私が我慢すればよかったの?

性犯罪(だけに限りませんが)の被害者が自分を責めてしまうということは、残念ながらよく起こってしまいます。

上記の例でいえば、「私が我慢すれば加害者は死なずに済んだのではないか」「私が彼(彼女)を殺してしまった」「私が悪い」……という風にどんどん悪い方向へ考えが進んでいってしまう人もいます。

そんなところに周囲からの二次加害が加わると、被害者の精神的負担は甚大なものになります。

そして、同じように痴漢被害にあった方々の中にも「被害を訴えたら人を殺してしまうかもしれない」という要らぬためらいを生むことになります。

そういった意味で、線路への逃走は痴漢被害者を苦しめる最悪な選択なのです。

最後に

私は痴漢を許しません。

被害にあっていると思しき方を見かけたらガンガン介入していきます。

多くの善良な人々の積極的な働きかけが性犯罪者の存在しづらい社会をつくります。

被害にあってしまった方へ。私はあなたの味方です。力になれることは少ないですが、ひとことだけ言葉を贈ります。

あなたは悪くない。どうか自分を大切に。

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